保護者と子どもとの距離。
今まで子育ての相談を受けるたびにお伝えしてきたことを少しまとめて記したいと思います५ ✍︎
何かの本で書いてあった言葉なのですが…
「子どもは船であり、親は港である」
という言葉を、相談を受けるとよくお伝えしています。
子どもは船🛳
自ら大海原を旅します(>ω<)その大冒険の中でいろんな出会いや学びがあり、成長をしていきます。
時には傷ついたり、上手く行かないこともあるでしょうが、その都度港へと戻って、整えてもらい、また新たな旅へと向かいます。
親(保護者)は港⚓
船が旅立つのを見送り、帰ってきたら暖かく迎え入れてあげます。旅の中での喜びや感動を受け止めてあげる存在です。
何か傷ついたり、問題が生じていたら整えてあげ、次にどう対応したらよいか知恵を授けます。そしてまた、元気になった船が旅立つ姿を見送ります。
それぞれに大事な役割・やるべきことがあります。
しかし…
今の子育ての風潮は
「港が船にくっついて旅に出てしまっている状態」
を作っていると思います。
本来、船(子ども)は冒険の中でチャレンジする、試行錯誤する、成功する、失敗するがたくさんあるはずなのですが、港(保護者)が傷つかないように先回りし、物事を完結させてしまっています。
その結果、何事も上手く出来てはいるのですが、実力があっても失敗にとてもデリケートだったり、自分から物事を掴みに行こうとするエネルギーが足りなかったり、そもそも他力本願な子どもが多くなっています。
好きなことだけずば抜けていたり、上手く行かないと投げ出す子も多いように思います。平均的に能力が安定していない感じです。
イクメンなんて言葉も出来て、
子育てが【家庭内】だけに留まらず、【社会にどう見られているか】も指標として存在してしまっているので、家の外での振る舞いが難しくなっている現状もあると思っています。
本来、子育ては他人に迷惑をかけなければ、そのご家庭内のルールに則って自由にして良い物のはずなのに、今は他人からの評価も少なからず影響のある時代になってきているので、手を貸さない子育てというのも世間の目が厳しいところがあります。
でも…
「親が子どもに丁寧に関わること」
「親がガマンが出来ずに手を出すこと」
この2つが、ごちゃごちゃになっていると思います。
子どもがどう…ではなく、親が状況を見ていられなくて、手を貸してはいないか、振り返ることも必要でしょう。
少なくとも空手の練習中は子どもにとって船旅の真っ最中です。もどかしくても港として最後まで見守ることが大切です。
練習中に帯がほどけても、それは船旅でのアクシデント。子どもが自ら周りに働きかけ、解決する道を探すように見守るのが良いでしょう。
泣いてしまう時も同様です。
先述の練習中に帯がほどけてしまう話では
家庭で帯の結び方を教えてあげる
→○丁寧な関わり。
休憩中に帯を直してあげる
→×ガマンが出来ていない関わり。
ではないかと思います。
それに、子どもが自ら関われなくても、周りの先輩から声をかけてもらい解決するなど、子ども社会の縦関係の優しさや思いやりに触れる機会は子どもの優しさを育てていきます。
船の旅に港がくっついてしまっていないか、一度考えてみるのが良いかと思います。
思い切って離れてしまうのも、子どもの力を伸ばすきっかけになります。
ワールドカラテアカデミー伊勢では11月から部分的に見学が出来なくなります。
この機会に不安になることもあるかもしれませんが、船の旅をじっと待ち、受け止める機会にして頂ければと思っています。
それが子どもの成長の大きなエネルギーになると思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。