私の履歴書

2021年12月14日 22:15

私が空手を始めたのは記憶が正しければ年長の頃。
折り紙ばかりして外遊びをしない、すぐに泣く、そんな私を見かねて母が地域の空手の道場に入れました。

そんな流れでのスタートだから、楽しくない。
30年前のことですから、出来ないと竹刀で叩かれる、名前を覚えてもらえず「おい」とか「お前」とか言われる。そんな空手なんて楽しくも何ともありませんでした。

だから、やる気がない、向上心がない(笑)
週2回の練習に1回しか行かない。月に6回くらいしか行かない。夏は暑いし、冬は寒いし、裸足だし、楽しかった記憶はほとんどありません。

同級生が成績を上げて、帯級もどんどん上がっても自分はそこそこのまま。悔しいとか、別にありません。
だって面白くないから。結果に一喜一憂することがありせんでした。

中学でも籍だけは置いていましたが、まともに練習には行きませんでした。部活が忙しいと嘯いていました。

ただ、本当に中学の部活はとても厳しく、県内トップクラスの成績で、東海大会まで行きました。同じ市内(当事は度会郡)の中学校の1学年下の子で後にプロに進む子がいて、そこの学校と常に張り合っていました。
負けたら罰走は当たり前。練習試合を年に130試合くらいして、とにかく勝つことを目指していました。
部員もスポ少で鍛えられて中学に入った子ばかりで、自分の「ちょっとやってみようかな」レベルでは全く歯が立ちません。レギュラーには当然なれません。でも、試合に出てないのに負けると連帯責任で罰走。その競技そのものが嫌いになりました。

高校に入ったら何かしないといけないと思いながら、新しいことをする気がなく、ダラダラ続けていた空手が進学先の高校に部活としてあったので入部しました。

その空手部もいい加減なもので、顧問は練習に来ない(笑)やけに女子部員は多かったけど、それも幽霊部員だった先輩の1人が男前でモテていて、その人に近づきたくて名前だけ登録している人がほとんどでした。そして全員白帯。形とか基本練習とか知らない部員ばかり。練習には4人とかしか来ない。顧問も来ないから経験者だった私がメニューを組んで練習する。そんな日々でした。

1年夏の県総体でいきなり団体戦メンバー入り。当然ですよね。団体戦メンバーの5人練習に来るのが難しいのですから。
でも、この夏の団体戦が県で準優勝。東海大会へ進むことが出来ました(≧∇≦)bこんな空手部で準優勝??不思議ですよね。だってエントリーが2校しかなかったから(笑)ちなみに対戦相手だった高校からは後に日本代表入りするメンバーが入っていました。

でも、この東海大会で本当の競技空手を知ることになり、素晴らしい経験をさせてもらいました。

対戦相手は静岡県1位の御殿場西高校。
今尚、超名門校と知られる空手の強豪校です。
それはもう一瞬のうちにボコボコにされ、悔しいとかそんな気持ちよりも、すげぇ世界がある!と、感動したことを今でもはっきり覚えています。


その後、空手部の状況はあんまり変わりませんでしたが、私は県の新人戦で組手3位。東海大会に進み、ここでもベスト16。
まずまずの成績を残しました。ただ、この時の東海大会も御殿場西の選手に負けました…高すぎる壁でした。

そうこうしているうちに大学進学の時期になり、地元の大学の空手部から部員募集の話を聞き、応募。
そして同時に教育者への学びの道へと進むことになりました。

大学時代は自分なりにやったとは思います。賞状をもらうこともありましたし、全日本学生にも出場しました。でも、今、ご縁のある子どもたちを前に「頑張った」とは言えない努力だったと思います。いつも中途半端で大事なところで負けていました。

そして、今のこども園に就職すると同時に空手教室がスタート。卒園生でも空手を続けたいという人が増えて、スポーツ少年団へ加盟。

気がつけば、30代で全日本空手道連盟公認5段。全日本空手道剛柔会“助教”のポジションになっていました。

何とも不思議な話です。


誰がどう見ても、私は空手のエリートではありません。ダラダラやってきたら1つの道になっていたというだけです。



でも、思うことがあって…

「続けていたから“道”になった」

同級生で自分より強かった皆は違う道に進み、ダラダラやっていた自分だけが、残りました。才能がないことがかえってあれこれ悩まずに済んだような気もしています。

それと、中学の時の部活動のようにひたすら厳しく鍛えられていたら、続かなかったと思います。幸か不幸かゆったりと空手を楽しむ時間がそこにあったから辞めなかった。辞めずに済んだ。高校時代に顧問が来なかったから自分が練習を仕切った。それが今の役にたっていたりもします。


残ったからこそ1つの道となった。
空手が自分を支えてくれる物となりました。

空手は生涯スポーツ、武道です。

少しでも長く続けてくれて、空手がいつかあなたを支えるそんな存在となるように、そして無理なく空手を楽しめるように、空手をすることであなたのアイデンティティを育てられるように大切に指導をしていきたいと思います。

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