いろいろ思うことがずーーーーっとありながら、しっかりとお伝えすることが出来なかった、私の理念。
私の一番大事にしていることは…
「空手道を通し、心と体を逞しくし、今の生活や未来を豊かにすること」
です。神経系トレーニングに来て頂いている中村先生と1度お話ししたことですが、「そのスポーツ(武道)を辞めた後に何が残っているかが大事」ということが私にはとても大切なことです。
空手なんていつか辞めるものです。受験にも必要なければ、オリンピックの正式種目でもない。大人になってビジネスとしても展開しにくい競技です。だから、私のように6歳から初めて空手歴30年以上なんて、ほぼいません。レアキャラです(笑)
いつかは辞める。それは空手がつまらなくなった時、中学に上がった時、就職するとき、などいろいろあると思います。でも、何だかんだあっても遅かれ早かれ辞めると思うのです。
その辞めた時に空手をやっていたから次のチャレンジを頑張れる!そういう何かが残っていたら嬉しいなと思っています。その「何か」を育てていけるように指導していきたいと思っています。
大人になって始めた方ならば、仕事のストレス発散になる、嫌なことを忘れられる、練習終わりのビールが美味い😋それでもいいと思っています。何も残らなくても日々の生活に張りが出てくるのであればこんなに嬉しいことはありません。
どんな風に空手を頑張ってくれていても、大切な「何か」が残っていれば良いのですが、そこはいろんな考え方があります。
私はWKA伊勢では大雑把に分けると取り組み方には2つのパターンに分かれると思っています。
WKA伊勢はスポーツとしての空手も一生懸命に取り組んでいます。
2021年東京オリンピックの開催国種目となったKARATE。全日本空手道連盟も「武道性を持ったスポーツ」と空手道を伝えています。
スポーツとして、真剣に取り組む中で勝ったり負けたりする。そこに大きな学びがあります。嬉しい、悔しい、喜び、悲しみ…。そのどれもが子どもたちを成長させてくれるバネになります。
空手は基本的には個人競技です。1人で防具の準備をし、試合相手と審判、観客、いろんな環境に対応しなければなりません。それだけでも緊張の連続です。そこに全力で立ち向かう中で感じることは多いことでしょう。勝つためには自主練習もたくさんすることでしょう。苦しくても踏ん張り続ける力が必要だと思います。
そのどこかで人としての成長があり、人生を潤してくれる何かがあることと思っています。
空手はそもそも競技性などなくても、学びの多い武道です。自分のペースで学び、自分の努力を精一杯する。それだけで美しいことだと思います。
空手の良いところは他のスポーツとは違い、レギュラー、補欠がないことです。自分自身が常に主人公です。運動に自信がなくても、コツコツ積み重ねていけば黒帯になれます。やりとげた証が手に入ります。本当に良いことだと思います。
私自身、黒帯になったのは16歳でした。取得に10年近くかかりました。めちゃくちゃ遅かったです。練習は嫌いだったけど、居場所がそこにあり、ぼちぼち練習に参加していた感じです。一緒に始めた同級生はとっくに黒帯を取って辞めてしまっていました。もう1番遅いくらいです。でも、結果的には全国でも数少ない、30代で6段合格へとつながっていきます。
私が子どもの頃、選手として目一杯やっていたら、今の自分はなかったのではないかと思います。
ぼちぼち自分のやることをやっているだけでいられたから今があるのだと感じています。
自分のペースで自分のやりたいようにとりくめる。
それが武道として、生涯スポーツとして、大切な部分だと思っています。
どちらにしても、最大の目標は
「空手道を通し、心と体を逞しくし、今の生活や未来を豊かにすること」
です。選手として思いっきり勝負の世界でやるか、自分のペースで出来る事を少しずつ増やせるように頑張るか、それはどちらでも良いことです。
空手道を通し、心身を逞しくさせ、成長へとつなげていければ良いことです。
試合で勝った。日本一になった。それも立派ですし、学級委員になれた。発表が出来る子になった。それも立派です。
「目的と手段を間違えないようにして欲しい」
と、思っています。特に試合に全力になっている方は気をつけていただく必要があると思います。全国的に見て、競技に走ってしまい、目の前の勝ち負けが全てになってしまうケースが増えています。
それと、ボチボチと頑張る子は「必死になって頑張っている子がいる」、選手として頑張る子は「空手を楽しんでやっている子がいる」と、お互いがお互いの価値観を認め合い、その中で協力しあい、チームとして結束していって欲しいと考えています。
子どもたちだけでなく、保護者の皆様も同じように各ご家庭の考えを尊重して頂ければと思います。
いろんな考えがあって、それを互いに認め合う、そういうことがこれからの社会を生きていく子どもたちには必要ではないでしょうか。
コロナ規制も緩和され、私が三重県空手道連盟の仲間入りをし、これからどんどん試合や交流が増えていきます。
これから競技が増えていくこの時期に1度、皆様へ私の考えが伝わればと思い、ブログに記しました。
長文を最後までお読み頂き、ありがとうございました。